商品ブランディングとは、顧客に商品の価値を認知してもらうために行う、企業のマーケティング戦略のことです。食品や電化製品、日用品など商品開発をするメーカーで活用される概念です。開発した商品を他社の商品と区別させるために、以下のような要素を設定します。
マーケティング戦略のひとつであるブランディング。ブランディングのひとつに、商品ブランディングがあります。商品ブランディングは「商品価値を高めたい」「売上を上げたい」「リピーターを増やしたい」と考える際に重要なものです。
今回は商品ブランディングの目的や効果、手法を解説します。
商品ブランディングとは、顧客に商品の価値を認知してもらうために行う、企業のマーケティング戦略のことです。食品や電化製品、日用品など商品開発をするメーカーで活用される概念です。開発した商品を他社の商品と区別させるために、以下のような要素を設定します。
設定した要素と顧客が触れ合い、ブランド体験を重ねることで、共感や信頼が生まれます。ブランド体験が繰り返されれば、SNSで拡散されたり、知人に紹介してもらえたりする可能性があり、商品価値も成長するのです。
商品ブランディングが成功すれば、商品を長く愛してもらい、購買し続けてもらえる可能性があり、安定した長期的な売上が期待できます。
ブランディング戦略には下記5つの階層があり、商品ブランディングは5層めの「商品ブランド」に該当します。ここでは各層におけるブランディング戦略の概要をまとめました。
グループブランド | グループ企業を束ねたブランド。 例:三井住友フィナンシャルグループ/すかいらーくグループ |
企業ブランド | 1つの企業に対して設定されたブランド。 例:スターバックス/任天堂/伊藤園 |
事業ブランド | 1つの企業で展開している事業ごとに設定されたブランド。 例:すかいらーくグループのガスト/バーミヤン/夢庵 など |
カテゴリーブランド | 同じコンセプトの商品を複数展開した場合に、1つのカテゴリーとして束ねたブランド。 例:おーいお茶(伊藤園) |
商品ブランド | 商品ごとに設定されるブランド。 例:おーいお茶 濃茶/おーいお茶 ほうじ茶/抹茶入り おーいお茶 など(伊藤園) |
商品ブランディングと企業ブランディングでは、次表のように目的が異なります。
目的
| |
商品ブランディング
| 商品の差別化・販売促進
|
企業ブランディング
| 企業の差別化・持続性のある利益確保・ビジョンの達成
|
企業ブランディングの施策は幅広く、採用ブランディングなども含みます。
一般的には商品ブランディングも企業ブランディングの一部といえるでしょう。
しかし商品先行で創業された企業などにおいて、商品ブランドが確固たるものになっている場合、企業を前面に出さないケースもあります。
商品ブランディングを行うことで、商品の価値やメリットを実感する顧客が増え、リピートが増加します。売上アップや持続的な収益向上が見込めるのです。
大きく分けて次の4つが商品ブランディングの効果です。
それぞれについて解説します。
ブランディングが成功している場合、競合他社と比べて自社の商品(サービス)が差別化されて優位な状態にあります。
消費者は差別化されている点を理由にして、自社の商品を選ぼうとするでしょう。
その際、他社に比べて多少、価格が高くても購入意欲が削がれることはなく、むしろ高い方が「価値がある」と感じます。「よい商品だから高い」と納得できるのです。
他社の商品や従来の自社商品よりも価格を高くできることは、売上の増加に直結します。
商品ブランディングが成功すると、顧客は次のような認識をしてファンになるでしょう。
その結果、リピートが増えたり、顧客間での話題性が高まったりします。
レビューが活発になり、サポートに対する要望や期待もふくらむでしょう。
売上が増加するとともに、多くの顧客からのフィードバックによって具体的なニーズや改善点が把握しやすくなります。
商品ブランディングは販促のコストを下げる効果があります。
顧客はSNSやブログ、レビューサイトを介して、他の消費者に商品(サービス)の良さを伝えようとします。すなわち顧客が商品のプロモーションの一端を担ってくれるのです。
企業が商品を広告するよりも、消費者は商品の利用者からの情報を信頼する傾向があり、広告効果が高まります。
結果として、企業は広告やプロモーションにかける費用を削減できます。極端にいえば、商品を作って販売するだけで順調に売れるということです。
商品ブランディングは商品価値を高めてファンを増やすだけでなく、企業にとってもよい影響をもたらすでしょう。
戦略上、商品ブランドと企業との関わりを見えにくくしている企業もあります。しかし消費者から企業が明確に認知されるような状況下では、商品ブランドの評価が企業ブランドの評価につながりやすいといえます。
顧客との関係だけでなく、採用活動や従業員のモチベーション、取引先との関係においてもよい影響があるのです。
「〇〇という商品で有名な会社」と認識することが、それらのステークホルダーにとっても重要です。
商品ブランディングの手法について解説します。
商品は企業よりもユーザーに近い位置にあり、ユーザーのベネフィットと密接に関係しています。
したがって価値やベネフィットの訴求が重要であることと、顧客体験を向上させる世界観の構築が商品のライフサイクルに影響するでしょう。
商品の価値には「機能的価値」と「情緒的価値」があり、それぞれの価値を高める施策が必要です。
WebサイトやSNSを含めて、これらの価値向上を追求します。
商品を取り巻く各種のサービスやサポートの質を高めます。
これらすべてのサービスの質を向上させ、顧客満足を引き出すことが重要です。
ターゲットが利用する各種のメディアを通じて存在を示し、価値を伝えます。
広告は企業からの一方的なアクションのため、商品をリリースした初期の展開が重要です。
コンテンツやSNSはユーザーによる口コミや拡散を期待できるため、長期スパンでの取り組みが必要でしょう。消費者・ユーザーへの話題提供や相互のコミュニケーションが成功すれば自然に認知が広まります。
さまざまなメディアを通じて多種の商品情報が取得できる現代では、ブランディング(差別化)はストーリーを必要とします。
商品を開発した動機や目的、商品を使用することの意義や価値を明らかにし、それらを裏付けるエピソードを公開します。
商品の成り立ちや経緯に消費者が共感・納得できることが重要です。
商品の価値を訴求するだけでは、即物的なニーズに応えるだけになるでしょう。
シリーズ商品や取り巻くサービスとの関係性を作り、それらのイメージとユーザー体験を統一させることで世界観を構築します。
商品が目指す世界観にユーザーが共感し、使用することで得られる心地よい感覚が、ブランドロイヤルティにつながっていきます。
ブランドの認知拡大に有効なメディアについて特徴を解説します。
一つのメディアにこだわらず、複数のメディアを利用してブランディングを行うことが重要です。
その際には、ターゲットユーザーが利用する主要メディアを選択することが前提となります。
テレビCMは不特定多数の消費者へ向けてブランドを認知させることが可能です。
ターゲットは放映時間や番組によってある程度、特定できるでしょう。
認知度が瞬間的に上昇することや、限られたテレビCM枠を利用できることから得られる信頼感がテレビCMのメリットです。
競合する企業がCMを配信していない場合は大きな差別化につながるでしょう。
雑誌への広告や記事の掲載は、ターゲットユーザーの愛読誌を選ぶことで効果的に認知拡大できます。雑誌はユーザーの手元に置かれている間に何度も見られる機会があり、広告や記事が目に留まりやすいといえます。
紹介記事は情報量が多いため、ブランドストーリーを紹介することが可能です。ただし雑誌からすぐに商品購入ができないため、印象に残るコンテンツが必要でしょう。
WebサイトのURLや検索に使うキーワードを示すことで、次のアクションにつながりやすくできます。
SNSは商品に興味のあるユーザー(フォロワー)が集まっているため、広告や運営はターゲティングの精度が高く、拡散性もあります。
顧客とのコミュニケーションの可能性があり、運営が成功するとユーザー自身が商品を紹介したり口コミが拡散するなど、自然に認知拡大する状況を作れます。
ただしSNSは悪い評判も拡散しやすいため、ネガティブな結果にならないよう、日常的な監視やコンテンツのチェックが欠かせません。
ブランドサイトはブランドイメージを表現する中心的な役割を担います。
さまざまな表現が可能で情報量も多く、ブランドの理念や世界観を伝えやすいのがWebサイトのメリットです。
ブランドサイトならではのコンテンツとしては、ストーリーを見せることや世界観を表現することなどが挙げられます。
さらにECサイトとの連携・統合によって購入に至るシームレスな動線を作れます。
イベント・サンプリングとは、自社で開催するイベントやビジネスイベントに参加して、サンプル商品を出品し、来場者に手に取ってもらうことで認知拡大や商品の理解を浸透させる手法です。
などがメリットとして挙げられます。
商品ブランディングを確立するための流れを解説します。新商品に限らず、既に発売している商品のリブランディングにも活用できるため、参考にしてください。ほとんどのクリエイティブ企業は「⑤プロモーション」の段階でアサインされることがほとんどですが、商品企画の段階から我々ライデンのようなクリエイティブパートナーを入れることで、ブランド視点も取り入れた強い商品づくりが可能になると考えています。
商品ブランドの現状を把握することが最初のステップです。
これらの現状を踏まえて、自社商品(サービス)の強みを明確にし、顧客に与えるベネフィットを確認します。
商品カテゴリの市場動向に目を向け、市場のニーズを探ります。
新規開拓においては他の業界や市場に目を向けることになります。自社の商品(サービス)や技術が他の業界の潜在ニーズにマッチする場合があるからです。
ニーズに対して自社の商品は応えられるのか、市場とのギャップや親和性について分析を行います。
商品・市場の分析を踏まえて、自社商品(サービス)の課題を明確にします。
次に課題を解決するための目標を設定しますが、わかりやすくすることはもとより、数値目標のように具体的な目標を設定することが重要です。
数値目標があれば、一定期間ブランディングを実施した後に容易に検証できます。
シェア率や売上、販売数などはわかりやすい数値目標といえるでしょう。
たとえば市場でのシェア率を上げることを目標にする場合、魅力的なブランドアイデンティティを持つ必要があります。
商品(サービス)そのもののクオリティアップに加え、消費者へのイメージ作りとベネフィットの訴求はとくに重要となるでしょう。
そのためには、商品ブランドのコンセプトを消費者にわかりやすいかたちで定義する必要があります。
商品ブランディングにおいて、顧客に価値とベネフィットを与える商品(サービス)を作ることは大前提です。
さらに商品ブランドのコンセプトを可視化するため、ビジュアルデザインを制作することに注力します。
これらを一体的に実施することが重要です。
プロモーションはターゲットに対して実施しますが、アピールするためにどのチャネルが有効か、判断が必要です。
たとえば20〜30代の若者、とくに女性に対して TikTok や Instagram を利用することなどは、ターゲットに合わせたチャネル選択といえるでしょう。
SNSの選定は重要であり、その他にWebや雑誌、TVなどを必要に応じて組み合わせます。
周知方法としては通常のSNS投稿の他に、イベントやキャンペーン、広告配信などを用いて、消費者とのコミュニケーションを図ります。
商品ブランディングの施策がどの程度、効果があったかを分析します。
目標として設定している数値をクリアしているかどうかは、最初に押さえるべき点です。
ブランディングに対して施策の効果があった点、なかった点を明確化し、新たな商品ブランディングに反映させてブラッシュアップすることが重要です。
商品ブランディングは商品単体で考えるのではなく、企業ブランディングとの一貫性が重要です。なぜなら、商品の特徴が企業ブランディングとかけ離れていると、顧客の共感を得られにくいためです。
たとえば「ゴミの排出を最小限に」とうたっている日用品ブランドの商品で「使い捨てカイロ」が発売されていたら違和感を覚えるでしょう。
商品ブランディングと商品を開発・販売する従業員や、企業自体のブランディングとの双方で影響を与え合います。そのために重要となるものが、企業、商品、従業員の意識の一貫性です。一貫性が生まれれば強靭な商品ブランディングが期待できます。すでに発売済みの商品や、売上が低迷している場合でも、改めて一貫性を見直すことがおすすめです。
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