RYDEN

「正しい」は「気持ちいい」に負ける

2023.03.07
クリエイティブプロデュース デザイン ブランディング
井上 雄一郎

こんにちは。ライデンの井上です。

今回のテーマは「正しい」は「気持ちいい」に負ける。
なんだよ当たり前のコトを偉そうに書くなよ、なんですがこれは人間というものを理解する上で非常に大事な原則だと思うので、仕事に役立つような内容にして書こうと思います。

「正しい」は割とめんどくさい。

試しに、部下に「正しいこと」をやるように伝えてみてください。 「誰が考えてもキミ、これはキミのためになるからやった方がいい。」というようなことです。

ジムに入会してベンチプレスを半年続ければ胸筋がビシッとなってスーツが映えるようになって、印象爆上がりで商談成約率が3倍になる、とかそんなことかもしれません。

たぶん部下は95%、実行しません。

正しいと頭でわかっていても、です。

キミは色選びのセンスがないから、毎日とにかく色相環を眺めて、色から連想されるイメージの感覚を磨いていきなさいよ

とか、

デザイナーとして市場価値あげたいんだったらACCだけじゃなくてTCC年鑑も写経してみなさいよ

とか。

目的達成のために絶対やった方が良いことってあると思うんですが、やれる人は少ない。だって気持ち良くないから。

そう、本人にとって気持ち良くなければ、正しくても実行されないんです。それが人間なんです。脳は基本的にエネルギーをセーブするために楽をしたがるし、報酬系の脳内物質に抗うことはできないんです。マンモス追っかけてた頃から1万年くらいは変わってない。

仕事で正論吐いても、相手が気持ち良くならなければ受け入れ拒否

  • 「こういうビジョンでブランドを定義するべきです」
  • 「3C分析の結果、ブランドのアイデンティティをこう定義すべきです」
  • 「こんなファネルの考え方でコミュニケーションを設計すべきです」

などなど。
どれだけ正しい話をしても、クライアントがワクワクしなかったら受け入れ拒否です。その場では頷いてくれていたとしても、拒否。

相手の心は動かざること不動の如し、です。

人間は、わたしたちが考えている10倍くらい、感覚的な生き物です。逆に脳内をエンドルフィンとドーパミンの渦で満たしちゃえば、人間は行動します。

なので自分の話を受け入れて欲しかったら、報酬系の脳内物質がドバドバ出るような薬を、相手に飲んでもらってから話をするのが一番良いんですが、

それはフェイク野郎というもの。

自分の話ひとつで、相手の脳にエンドルフィンとドーパミンをドバドバ出してもらうんです。これが人間力。できなければどれだけ正論を用意して臨んでも、効果はあがらないでしょう。

ブランディングも同じです。

いくらビジョンや価値を語っても、相手が気持ち良くならないと受け入れてもらうことは難しい。

いくら相手のためになるベネフィットを提示しても、相手のテンションがあがるオファーに転換されていない限り、選ばれることはないんです。

男女関係に例えると一発でわかりやすいんですが例えると下品になるので例えません。もしあなたが考えること、つくることを職業にしているならネットリと想像してみてください。

なので資本主義経済の荒波にモミモミされながら生きている我々の生活は、この原則に支配されていると言って過言ではありません。正しいことを導き出す能力だけではダメで、相手が「気持ちいい」と感じることに転換して届ける能力が必要なのです。

いやー、自分がそう出来ているかなと顧みると、反省点はいくらでもありますね。

しかし私たちライデンはクライアントのビジネス課題に向き合ううえで、このことを忘れずにいようと思います。

この記事を書いた人

クリエイティブプロデューサー
井上 雄一郎
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